「NEWSふくおか」2020.03に掲載されました。


魚町商店街がSDGsアワード内閣総理大臣賞を受賞

-SDGs内閣総理大臣賞の受賞おめでとうございます。今、いろいろとお忙しいでしょうね。

梯:12月20日に首相官邸で授賞式があって、今、取材や原稿作成などに追われています。SDGsは、環境や貧困問題、教育など多様な概念を含んでいますが、長い間、魚町が持続可能な街づくりに貢献してきたことを評価していただきました。

-具体的には、どのようなことを行っているのでしょうか?

梯:2010年に立ち上げた北九州家守講座が始まりです。家守というのは、江戸時代の長屋の大家の呼び名ですが、商店主たちが行政・地域住民などと連携して、空き家をスモールオフィスなどに変えて起業家や個人事業者を入れ、新しい事業を興すことを目的にしています。今は、株式会社北九州家守舎となって、シェアオフィスだとか、シェアハウス、それからタンガテーブルという韓国人観光客に向けた46ベットのゲストハウスも経営しています。
 当社のビルも2011年以降インキューベーション施設も運営していて、ここでいろいろと勉強して、うまくいくようだったら商店街に出店してもらったりして、今3店舗がそういう形で出店しています。ビルの1階では、築上町の方が野菜を売っています。
 また、地下には「まなびとESD(Education For Sustainable Development)ステーション」という大学関連教育施設を誘致して、北九大など10の大学に入ってもらっていろいろな街づくり活動とかボランティア活動とかを商店街と一緒にやっています。講義を聴くだけでなく、実際に行動してもらうことで、街づくりに対する知見を高めてもらっています。

-北九州リノベーションまちづくり推進協議会も立ち上げていらっしゃいますね。

梯:2011年に中心市街地の遊休不動産の再生を目的に単なるリフォームだけでなく、ソフト事業も組み込んだ街づくろを学ぶリノベションスクールを開講したのですが、今、これが全国50ヶ所以上の商店街に広がって、週1回くらいの割合でどこかで開催しています。久留米・飯塚でも開講していますし、黒崎でも今年2月に開講しました。私もいろんなところに呼ばれて、講師などもやっています。

明治時代に徳島から北九州に

-理事長は小倉のご出身ですか。
梯:曾祖父が、製鉄などでこちらの景気がよかったので、明治の終わりころに徳島から移って来て、最初若松で商売を始め、大正時代に魚町に来ました。もともとメリヤスなどを売っていて、それから金物屋や電気屋を経営して、昭和46年にこのビルを建てたので、数年後に電気屋をやめて、昭和50年の初めくらいから貸しビル業に転換しました。
 このあたりは、もともと地の人は少なくて、軍需工場の関係でいろいろな所から集まって、3代目、4代目の人が多いですが、先進性があるというか暴れん坊というか、小倉祇園の時など盛り上がりますね。

-理事長もいろいろと兼務されていますね。
梯:魚町商店街とサンロード商店街、それに福岡県商店街振興組合連合会の理事長もやっています。青年部の頃から20年くらいずっとやっていますね。
 2月15日から29日までは、小倉中央商業連合会主催の食市食座があって、今、準備が大変です。連合会には旦過市場や井筒屋さんも入っていますが、商店街が百貨店と一緒にイベントなどをやっているのは全国的にもあまり例がないですね。

2030年に向けてSDGs構想を推進

-以前にも増し、活気が出てきたような気がします。
梯:おかげさまで、リーマンショックが起きた2008年から2009年ころは、一番通行量がすくなくて、1日の通行量が11,000人くらいまで落ち込んでいましたが、今13,500人くらいに回復しています。今、空きビルなどができると、外部から資本が入って解体して新しいビルを建てるというようなステージに入ってきました。米七さんという呉服屋は建て替わって飲食店が集まったヒカリテラスというビルになりましたし、丸源ビルも30年ぶりくらいに所有者が変わって建て替わっています。旦過市場も来年くらいから再開発を始める計画です。

-今後の構想は。
梯:魚町がその一助となって、SDGsの思想を広めていくことです。SDGsの認知率はまだ低く、北九州市内では18%くらい、魚町はいろいろ取組んでいるのでその倍36%くらいあります。2030年までSDGsに取組んで、商店街のアイデンティティを固めたいと考えています。お客様にものを買うという以上のベネフィットを提供する、具体的には、魚町で買えば社会貢献にも参加できる、というようなことです。今、フェアトレードの商品を仕入れたり、賞味期限間近な商品を販売したり、農家から直接規格外の野菜を仕入れたりと、いろいろなことをやっています。

インタビューを終えて

 この10年くらいほとんどほとんど魚町を訪れる機会がなかったのですが、久し振りに歩いてみて、たしかにずいぶん印象が変わったという印象を受けました。当時は大型のドラッグストアや百均の店舗が目立っていましたが、今は野菜直売店やイートインできる間口の狭いパン屋さんも人気の様子で、通りには楽しさが増し、理事長を中心とした粘り強い活動の成果を感じることができました。
(中小企業診断士 薗田秘久恵)

福岡県中小企業団体中央会|中央会の機関紙「NEWSふくおか」
https://www.chuokai-fukuoka.or.jp/info/

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